SF・ファンタジー小説執筆修業中、門田充宏の公式サイトです。
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『追憶の杜』

『追憶の杜』収録作各話あらすじ

「六花の標」
珊瑚が翻訳した記憶データが、ネット上に無制限に公開され始める。急死した料理研究家・雪肌女の最後の日々と、彼女と一緒に暮らしていた少年・仁紀の記憶――それが雪肌女の遺志だからと、仁紀は自分にとって大切な日々の記憶を公開し続ける。その結果、他人の記憶を覗き見ることを楽しむ人間が多く出る一方、記憶データの翻訳自体や、サービス提供元である企業・九龍に対する批判までが起こるようになってしまう。珊瑚は九龍を、仁紀を護るため、雪肌女の意図を探ろうと試みる。

「銀糸の先」
記憶データのレコーディングを実施中のユーザが殺害され、記憶データが持ち去られるという事件が連続して発生する。記憶データはレコーディングされただけの状態では他者は理解できないため、翻訳のためにそのデータは九龍に持ち込まれたのではないかとの推測が流布するが、捜査中であるため九龍はノーコメントを貫いている。そのことが疑念を呼び、また仁紀の事件のあとであったこともあり、九龍に対しての批判が巻き起こる。その対応のため、九龍は自社の仕事を理解して貰うため、若手ジャーナリスト・香月に珊瑚へのインタビュー実施を許可する。あわよくば殺人事件の手がかりを入手しようと考えていた香月だったが、インタビューセッションは彼の予期しない方向に動き出す。

「追憶の杜」
統合サポートシステム・孫子が作り出した疑験コンテンツのレビュー中、珊瑚は存在するはずのない動的要素を見てしまう。孫子にも、モニタしているエンジニアにも上司にも見えないその存在は、まるで珊瑚を導くかのように姿を見せつつ進んでいく。珊瑚が辿り着いた先には、あり得ないはずの空間と、あり得ないはずの経験が待っていた。
©Mitsuhiro Monden, 2014-2023